私が長年住んでいるマンションの玄関の鍵を、思い切って電子錠に交換したのは、今から半年前のことです。きっかけは、ごく些細な、しかし私にとっては非常にストレスフルな日常の一コマでした。それは、仕事で疲れ果てて帰宅した夜のこと。玄関の前でバッグの中を探るのですが、いつものように鍵が見つかりません。化粧ポーチや手帳、山のような書類を一度全部歩道に出し、ようやくバッグの底から鍵を見つけ出した時には、もうぐったり。そんなことが、週に一度は必ずありました。また、心配性な私は、外出先で「あれ、玄関の鍵、ちゃんと閉めてきたかな?」という不安に駆られることが頻繁にありました。その度に、一度駅まで行った道を引き返し、確認に戻ることも一度や二度ではありません。この二つのストレスから解放されたい。その一心で、私はインターネットで電子錠について調べ始めました。暗証番号式、カードキー式、指紋認証式。様々な種類がある中で、私が選んだのは、暗証番号と、普段使っている交通系ICカードの両方が使えるハイブリッドタイプの電子錠でした。専門の業者さんに来てもらい、取り付け工事は二時間ほどで完了。その日から、私の生活は劇的に変わりました。仕事帰りは、バッグから何も取り出すことなく、ポケットに入れたICカードケースをかざすだけ。鍵を探すあの無駄な時間が完全になくなりました。そして何より、オートロック機能がもたらしてくれた精神的な平穏は、想像以上のものでした。もう、鍵を閉めたかどうかで不安になることはありません。ドアが閉まれば、カチャンという確かな音と共に、私の家は安全に守られるのです。最初は少し高い買い物だと感じましたが、今では、この安心感と快適さを手に入れられたことを考えれば、本当に価値のある投資だったと心から思っています。
私が玄関の鍵を電子錠に変えた本当の理由