先日、ふと我が家の玄関の鍵が、もう十数年も同じものであることに気がつきました。いわゆる昔ながらのギザギザした鍵で、最近のニュースで見るピッキング被害などのことを考えると、急に心許なく思えてきたのです。業者に頼むことも考えましたが、昔から物作りが好きだった私は、これを機に自分で交換してみようと決意しました。休日の朝、私はまずドアの厚みや錠前の刻印などを念入りに採寸し、スマートフォンで写真を撮ってから、近所の大型ホームセンターへ向かいました。鍵売り場には、驚くほど多くの種類の交換用シリンダーが並んでいます。店員さんに持参した写真と寸法を見せ、相談に乗ってもらいました。防犯性の高いディンプルキータイプを勧められ、価格も手頃だったので、それを購入。必要な工具はプラスドライバー一本で済むとのことでしたが、念のためサイズの違うドライバーがセットになったものを新調しました。帰宅後、いよいよ作業開始です。まずは説明書をじっくりと読み込み、全体の流れを頭に叩き込みました。ドアを開けた状態で作業を始め、フロントプレートのネジを外し、シリンダーを固定しているピンを抜くと、古いシリンダーがスッと抜けてきました。思ったよりも簡単で、少し拍子抜けしたほどです。新しいシリンダーを差し込み、逆の手順で元に戻していきます。ネジを一つひとつ丁寧に締め、最後にドアを開け閉めしながら、鍵がスムーズに施錠、解錠できるかを何度も確認しました。カチリ、という小気味よい音と共に新しい鍵が回った瞬間、大きな達成感と安堵感に包まれました。作業時間は全部で三十分ほど。自分の手で家の安全性を高められたという事実は、費用を節約できたこと以上に大きな満足感を与えてくれました。この日の経験は、私にとって忘れられないDIYの思い出の一つとなったのです。
私が玄関の鍵を自力で交換した一日