ひとくちに鍵といっても、その種類は多岐にわたります。昔ながらのギザギザした鍵だけでなく、近年は防犯性の高い複雑な構造を持つ鍵や、物理的な鍵穴が存在しない電子錠なども増えてきました。もし、あなたが住んでいる賃貸物件で、こうした特殊な鍵を失くしてしまった場合、対処法や費用は一般的な鍵とは異なる点に注意が必要です。例えば、表面に多数のくぼみがあるディンプルキーは、ピッキングに強く防犯性が高い反面、その構造が複雑であるため合鍵の作製が難しく、紛失した際はシリンダーごと交換するのが基本となります。そのため、交換費用も一般的な鍵より高額になる傾向があります。管理会社に連絡した上で、専門の業者による交換作業が必要となり、費用は三万円以上かかることも少なくありません。また、カードキーやスマートキーを失くした場合も厄介です。これらは単なる物理的な鍵ではなく、内部に登録された電子データによって解錠する仕組みです。そのため、紛失したカードを無効化し、新しいカードを再登録するという作業が必要になります。場合によっては、部屋のドアの読み取り機や、集合住宅の場合はエントランスのシステム全体の設定変更が必要になることもあり、費用はさらに高額になる可能性があります。これらの特殊な鍵は、街の鍵屋に持ち込んでもすぐに対応できるものではありません。多くの場合、メーカーへの発注や特別な技術が必要となるため、必ず物件の管理会社や大家さんを通して正規のルートで対応を依頼する必要があります。勝手に業者を探して依頼しても、物件のセキュリティシステムに対応できず、結局二度手間になってしまう可能性が高いのです。特殊な鍵は日々の安心感を高めてくれますが、紛失した際のリスクも大きいことを理解し、より一層慎重に取り扱うことが求められます。もしもの時は、迷わず真っ先に管理会社へ相談しましょう。
賃貸で特殊な鍵を失くした場合の対処